ブラックSESを回避してメリットだらけのSESに! ブラックSES回避術を徹底解説!

組織に縛られないフリーのエンジニアを目指す方にとって、避けては通れないのがSES。
自分自身の営業力やポートフォリオだけでプロジェクトを獲得していくことが簡単なことではないのは、皆さんの方が良くご存知でしょう。
そのために営業メールやポートフォリオのブラッシュアップ、サンプルサイトの作成等にタイムリソースの殆どを割いているのではないでしょうか。
私たちエンジニアにとって最も重要なスキルアップと新鮮なアイデアを生み出すインプットを増やすことにリソースを投資したいのにも関わらずです。

そんなまだ実績と名前がそれほど売れていないエンジニアにとって、その機会となるのがSES案件。

その報酬は月40万から、上級案件では100万円を超えるものも。
案件は担当エージェントが獲得してくるので、営業活動に無駄な時間を使うことなく案件を自分のものとすることができるのです。
自分はエンジニアの本質を突き詰めることに専念できます。
しかしSESと聞くとあまりいい印象を持たない方がほとんどでしょう。
なぜならいわゆるブラックSESと呼ばれる案件が数多存在しているから!

今回はそんなブラックSESを回避し、SES案件のメリットを最大限活かそうというテーマです!

目次
・SESって結局なんなの?
・SESと派遣どっちがいいの?
・SESの何が問題?
・今SES企業が必要とされている?
・SES案件のメリット
・ブラックSESを企業から見極める
・ブラックSESを案件から見極める
・優良なSES企業って?

 

SESって結局なんなの?

SES(システム・エンジニアリングサービス)とは、クライアントに技術者(エンジニア)を派遣するサービスのことです。
もしあなたがSES案件に入ったとすると、ベンダー企業と呼ばれる会社と契約し、ベンダー企業のクライアント企業で勤務することになります。

1.派遣と違うの?

「あ〜、派遣みたいなことね」と思ったあなた! 少し違います!
「派遣」というと派遣契約による労働を指しますが、指揮命令権はクライアント企業にあります。
SESにおいての契約(準委任契約)では、指揮命令権はベンダー企業にあります。
それしか差はありませんが、それが時に最悪な状況を作り出すことになるのです…。

請負(いわゆる受託開発)も含めてどのような差があるか見ていきましょう。
3つの大きな差は報酬対象、つまりクライアント企業に対して何を提供しているかという点です。
SESと派遣は業務の遂行力を提供しているに対して請負は、作成した成果物を提供していますので成果物のクオリティに責任も負っているという言い方もできます。
対してSESと派遣は成果物のクオリティまでは責任を負いません。技術者労働力の提供と言い換えるとわかりやすいかもしれませんね。

SESと派遣どっちがいいの?

あなたが今どのようなキャリアを持っているかで、最適解は変わると思います。
ざっくり切り分けると

1.フリーエンジニアとしての十分なキャリアを積んでいる方→SES
2.フリーエンジニアとしてスタートを切って数年→派遣

SESは指揮命令権がベンダー側にあります。クライアントからの指揮命令が、一度ベンダーに渡った後にエンジニアに伝わります。伝言ゲームですからエンジニアはその意味や目的を咀嚼理解し、適切に答えていかなければなりません。

派遣は指揮命令権がクライアント側にありますので、クライアント(またはPM)からの指揮命令はエンジニアに直接伝わります。SESと比較し、伝言ゲーム特有の誤解や指示の不明瞭さはありませんので、安心して開発に集中できます。

1.安定して入れる派遣とスポットで入れるSES

さらに案件の長さにも差があります。

・SES→最短で1ヶ月のスポット案件。(工程の一部だけを担当する案件)がある
・派遣→少なくとも3ヶ月以上。1〜2年の契約もある

契約期間にこのような差があるので、SES案件はあなたが持っている開発案件スケジュールの切れ目にスポット的に入ることができます。

逆に派遣は一部短期間の契約もありますが、基本的には3ヶ月以上の案件がメインです。安定して案件を確保していけますので、フリーのエンジニアとしてスタートして数年の方等、まだ自分の営業力で案件を獲得するには時間がかかる時期に向いています。

SESの何が問題?

1.指揮命令のフローが煩雑で、責任の所在もあやふやになるケースがある

エンジニアを含め、クリエイティブな仕事をされている方なら誰もが経験があるでしょう。何の意図か誰の意図かもわからない指示により後々問題へつながることが度々起こります。フリーになってもPMを何度か経験されてきたような方でも陥ってしまう罠ですね!

2.契約の実態が不透明で報酬の支払いも知らない会社から…

正直言うと、業界では日常茶飯事に聞くレベルであります。言葉では説明できませんので図解します。
SESからの派遣自体がグレーといわれがちですが、契約の名称はどうであれ派遣労働者を派遣契約によって派遣労働に出しているのだから…という理屈を曲げるためにSES契約とは「技術提供である!」とするわけです。
SES3と4の関係もひどいですね! クライアントはプロジェクトチームがベンダー所有のチームであると思っていますが、実態はベンダーですらどこの誰かもわからない状態になっているのです。

指揮命令、責任の所在が全く不明なのはこのような関係性がもっと複雑に絡んでいるためでもあります。

今SES企業が必要とされている

もちろん上の話は、全ての案件で起こっていることではありません。SESという業界で見たとき、その意義と必要性はこれからも高くなっていきます。

みなさんもご存知のようにwebアプリケーション、webサイト、ソフトウェア、組み込み等、あらゆるジャンルの開発がそれぞれの分野でさらに細分化しています。また、開発が本業ではないクライアントにとって、常に新しい技術を従業員に習得させながら雇用し続けることはできません。
今後中期的な視点でも、開発環境の人材面は各企業ともSESを必要としているのです。

SES案件のメリット

デメリット部分は、これまでの説明の中でおわかり頂けたと思います。ではエンジニアにとってSES案件にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

1.多種多様な案件、環境での経験値を上げることができる

エンジニアに必要とされるチカラは、コードを書けるかどうかだけではありません。進捗管理、プロジェクト全体の工程管理、設計とスケジュールの整合性等、スキル以外の部分を多く求められ、それに答えられるエンジニアほど報酬も高く、名前も売れていき、一流と呼ばれるようになります。

それに欠かせないのが「経験値」です。様々なプロジェクトを経験することができるSES案件ではそれらのチカラを伸ばしていくことが可能です。

2.自分で残業時間をコントロールしやすい

クライアントはエンジニアの働いた時間に対して報酬を払う契約がほとんどです。またそこに上限も設けられています。ですので成果物よりも1時間あたりの働き方にフォーカスされます。生産性の高い働き方を実現できます。

3.自分のスケジュールに合わせた案件に入りやすい

前述しましたが、短期の案件も多く、今のプロジェクトと次のプロジェクトの間でポッカリと空いてしまったスケジュールをSES案件で埋めることができます。年間の受注額うまく作っていけます。

ブラックSESを企業から見極める

その前に、世に聞くブラックSESとは何なのかをお伝えします。

・契約額より実際の報酬額が低い
・必要以上(契約以上)の拘束時間がある
・残業に対する報酬が未払い

この3つが大きなところです。
このような辞退を引き起こしてしまう企業とはどのような企業なのかをみていきましょう。

1.オリエンにエージェントがいない

多くの場合はベンダーとのオリエンテーション(顔合わせ)があります。そのオリエンに「自分が契約しているSES企業のエージェントがいない」なんてこと、経験されている方も多いのではないでしょうか。
つまりそれは上図でいうならSES4の企業と契約していたことになります。

これがほとんどの場合の諸悪の根源です!
どのようなことが起こり得るかというと

・指揮命令の責任、出どころが不明瞭(又聞きの又聞きレベルの指示になることも)
・報酬から余計なマージンが抜かれる
・SES3とSES4で契約内容が違う

こんな状態になりますので、少し複雑性のあるプロジェクトになるとあっというまに業務が煩雑化し
プロジェクトの進捗が滞ります。進捗が滞れば契約以上の残業が増えますし、報酬も減らされる可能性が出てきます。
SES3とSES4で契約内容が違う上にSES3はSES4にマージンを払うのですから、クライアントから報酬が減らされたとなれば残業時間に対する支払いも渋る可能性も大いにあります。

その企業の全ての案件が下流であることはないと思いますが、一度でも経験したら要注意です!

2.エージェントの対応が全て電話かメール。顔も見たこと無い

エージェントはベンダーやクライアントに対して、エンジニアの所有スキルだけでなく人間性にも責任を持ちます。
ですので、良いエージェントは仕事の話だけでなく、その人の価値観や倫理観を知りたいですし、そしてエージェント自身の価値観や倫理観を知ってほしいと思うものです。

エージェントの喜びはベンダーやクライアントから担当エンジニアが「君がいてくれてほんと助かった、また一緒に仕事したいんだが」と言われている光景を見ることです!

これは私の持論ですが、案件とエンジニアをマッチングさせればチャリンチャリンと思っているヤツはエージェントじゃないっ!

ブラックSESを案件から見極める

募集要項を良く見てください。

1.仕事内容を読んでも、どんなミッションなのかまるでわからない

ex)○○を使ったサイト構築 期間1ヶ月
それはそうなんだろうけどその中のどこやねん!ってなりますよね。1ヶ月で1から10? んなわけないよなぁ…と思う案件あると思うんですけど、それです。
じゃあ良い案件がわかりやすいかというとそういうわけではないんですが、明らかに書いている人が全く知らないなという感じがわかると思います。

2.期間が短い

ミッションと期間がアンマッチな案件が稀にあります。(大抵伸びますが…)メンバーが抜けた穴を埋めるメンバーの募集であったりするわけですが、ご想像のとおりチームに後から入るのは玄人向けだと個人的には感じています…

3.オリエン回数が多い

2回はよく見ますよね。3回は少し多いかなと思います。5回というのを見たことがありますが、よほど心配性なのかチーム運営に問題を抱えているのか色々と考えてしまいますね。問題が多いから顔合わせも多いわけです。

優良なSES企業って?

・未経験者中心ではなく、スキル保持者を多く保有している企業
・スキル教育だけではなく、コミュニケーションスキル、プレゼンスキル、また人間力の教育に力をいれている企業
・クライアントへの価値提供だけでなく、登録(雇用)エンジニアへの何かしらの価値提供にも力を入れ仕組みがある企業
・営業力が高く、商流の高い案件が途切れず回ってくる企業

さいごに

社会を形作るエンジニアと案件を獲得し精査するエージェントの二人三脚が、これからの開発環境を支えていくことは間違いありません。

SESの構造を紐解くことで、あなたのスキルがフルに発揮され、より大きな価値を社会に発信できます。
それがあなたのエンジニアとしての価値を上げていくのだと思います。

ぜひ、ホワイトなSESに飛び込み、エンジニアとしての価値を上げていってください。

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